. 行政書士組織論: 求人と求職の間

2015/09/01

求人と求職の間

塩谷です。2か月のご無沙汰です。

一定以上の規模感の行政書士事務所になると、どうしても人材採用のことで悩みが出てくるものと思います。
僕が所属している会社でも各エリア、基本的には常時様々な媒体で募集をしており、面接して応募があって採用して辞めて...ということを繰り返しています。ちなみに弊社は離職率の高いブラック企業ではないですが、福利厚生給与が一流企業並みという職場でもありません。更に付言すればセクハラ、パワハラの類とは無縁で、サビ残〇〇時間なんてこともなく、結構のんびりやってます。
--
この稿の本旨とは関係ないですが、せっかくなので弊社求人情報掲載しておきます。我こそは、という方はぜひ。
採用情報 | 建設業許可・各種許認可の総合サポート | 行政書士法人A.I.ファースト
--


さて、行政書士事務所は採用で悩んでいます。人材のことも経済のことも流転するもので、原因も結論もないですが、現段階で僕が思っていることを書いておこうと思います。

「行政書士事務所で働きたい!」という求職者側のニーズには、一定以上「行政書士として独立したいが実務経験がないので、一旦事務所に就職して修行を積みたい」というものがあるようです。分からなくはないです。

資格は持っているが実務経験はないとか、受験を控えているので現場で学びながら、という応募は多いですね。んで、そういう応募の場合に採用不採用を検討するのはもちろんですが、「独立したいならうちでやらないで最初から自分でやったら?」と言ってみます。

こちら側の本音として、近い将来に近隣で独立するつもりでいる人にノウハウを教えこんでやるのもアレだな、というのはあると思いますよ。というか、普通経営者だったらそう思うでしょう。面接の際には「ノウハウ取って独立してやる!」と思ってても、面接者にはそう言わないほうがいいんじゃないですかねえ。

こちらも、そのギラついた態度を見れば「こいつそのつもりだな」ってことはわかるので、表面だけでも「貴社の発展のために」とか「長く勤めたいです」とか言ってくれるくらいの社交性があると、いいお付合いができるんですけど。

僕は行政書士(というか突き詰めれば士業全体)を、基本的には手続き業に帰結していくと考えています。従来スケールしている事務所の殆ど全てが手続きオリエンテッドだからです。

つまり、求人側は(もちろん過程でマネージャーが育つということはあっても)手続きについての「手」が欲しい、というのが前提にあります。お客さんと話せるとか、役所と詰めてこられるというスキル的なことももちろんですが、それはどちらかと言えば第2次的なものであって、どちらかと言えば僕は手が動く人をまず求めますね。

ということで、募集と応募の間にあるギャップには、募集側は「所内の処理部分を任せたい」というニーズが高いのに対し、応募側は「独立の足がかりにしたい」等というニーズがあり、この溝があるんじゃないのかなと思います。

なので、よく「行政書士には求人が殆どない」と言いますが、これはあまりに一面的な意見です。というか何も考えないで言ってるでしょ、と思います。
求人はありますよ。ただ双方のニーズのマッチングが上手くいっていないだけで、ここがハマればお互い良い関係を作れると思いますけども。

追伸

僕の業務に対するスタンスの根本的な話になりますが、「この人を求めていた」とか「この人でないと絶対に駄目だ」というような、いわゆるアツい話は嫌いです。

その人でないと成り立たない業務なんて、どう考えても作りこみ間違えてるでしょう。誰がやっても一定以上同じ結果が出るから事業として成立するのであって、そういうアツいこと言う人は事業に対する取り組みが(僕とは)全く合わない人か、または隠したい何かをごまかすために言ってるんだと解釈することにしています。