. 行政書士組織論: 800の補足及び追記

2018/02/15

800の補足及び追記

お世話になっております、塩谷です。3ヶ月ぶりの更新となっております。

もう2月なので年末年始のことを書くのも極めてアレですが、本を読んでいまして、歴史小説とか歴史学とか生物学とかですねー。人によって違うんでしょうが、僕にとって歴史を学ぶことの面白いところは、人なんて何千年もずーっと非論理的で非合理的なことばかりを繰り返してきたということがよく分かる点ですね。生物学的には非論理的で非合理的(だと思われる)ことを、歴史の中で延々と繰り返すんですね。

自分の事業も依頼者の事業も、合理性に基づいて行われているものと思っておりますが、実は大局的には全然そんなことないんじゃないかとも思います。先人が悉く違ったのに、なぜ自分と自分の同時代人だけが合理的だと言えるのか、みたいな。何の意味があるのかは分からないが、読了本をぱっと思い出せる範囲で書いておきます。

[まとめ買い] 皇帝フリードリッヒ二世の生涯
決定版 - 武揚伝(上)
決定版 - 武揚伝(中)
決定版 - 武揚伝(下)
最古の文字なのか? 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福
暴力の人類史 上
暴力の人類史 下
約束
生命、エネルギー、進化


こないだ地元の後輩同業者と現場が一緒だったときに教えてもらったんですが、小島くん(同郷&同年生まれなので親愛を込めてこう呼ぶ)がYoutuberになったそうです。

行政書士対談TV - YouTube

すみません、現段階で動画は見ていないんですが、Youtuberになることは絶対に正しいと思うし、今後もそうすべきだと思います(もちろん小島くんの場合には、という意味だが)。彼のブログを以前拝見したことがあるのだが、文章になると、生の彼が持つ一見人懐っこいようだが極めて洞察的で批評的なニュアンスが抜けてんな、と思っていたので(もちろんこれは小島くんの美徳だと思うので、褒め言葉です)。

あと文章をキータイプするのって面倒で時間がかかりますよね。喋って動画にしてアップする方が早いし、即効性はあると思う。小島くんがニヤニヤしながら色んな同業者と喋るっていうコンセプトもユニークだしさ。塩谷はブログ程度のものは殆ど全部iPhoneの音声入力で文章を作っている。そしてDropboxで同期してPCでチャチャッと微調整&整形してアップしている。みんな絶対やったほうが良い。

ついでに言えば、クライアント以外の外部とのMTGなど、PCでメモを取るときにはマークダウンという記法を使ってテキストエディタにザザッと書いている。メモに簡単な記述式を当てることでそのまま議事録になり、その後のリユースに非常に便利である。すげえ簡単だからやったほうが良い。本来は簡易版HTMLみたいなものでウェブサイトのコンテンツを書くことにも使えるが、プレーンテキストのままでも文章構成が見やすいので、汎用性がとても高い技術です。

Markdown記法 サンプル集 - Qiita

最初からここまでは全て余談で、本稿は800/人の件の補足をしたいという内容です。

行政書士組織論: 構造と力3 / 800のテーゼ

誤読していただくのは大いに結構で、そこから議論が始まるとさえ思いますが、「塩谷は行政書士業務では1人あたり年間800万円しか売り上げられないと言っている」という誤解が一部あるようで、本意でないです。つうか売りに走れば800なんて売れるやろ、限界値に設定してもしょうがない。

行政書士業務において1人事務所というスタイルは早晩破綻するので、早々にチーム制或いは組織形態へ移行していくべきですが、原則的に事業体はある一定の時期、規模まで上昇曲線を描いていくもの、という暗黙の前提条件があります(そしてそのうち、上昇曲線自体に疑問を持つことになるのでしょうが、これはまた別の話です)。

弊社AIはこの曲線を大体113%くらいじゃないの、というおおよその見込みで運営しておりますが、これが110%でも120%でも好きに設定していいと思いますけれども、その曲線のカーブを3年とか5年とか一定の期間維持していくためには、事業体が健全で健康でなければいけないんですね。利益追求のためにコストカットしまくったり、スタッフに無限のサービス残業をさせたり、フィニッシュする見込みのない高額案件を見切りで受任したり、できないんです。

種を撒かないと咲かないので、成長曲線を描くためには売上の中から一定の投資をして、スタッフに還元して、過剰な負荷をかけないために増員し、所内の諸々を磨いて、という作業を絶えず繰り返していきますが、このおおよその理想的なポイントが1人あたり年間800万円くらいの売上に集約されていくんじゃないの、という趣旨で前回の稿を書いたつもりでおります。じゃないと、売上がなさ過ぎる或いはあり過ぎるいずれかの理由により、無理がたたって破綻するんじゃないんかね。

他の士業のことはよく知りません。ですが恐らく、800/1人という設定値は士業の中では一番低いと思います。税理士だと1200/1人くらいで設定できるんじゃないですかね。これが行政書士の事業構造における限界というか、一般論としてこういうことがこの資格には構造として織り込まれてるんじゃないか、ということはうっすら認識を持っていると何かと便利なのではないかと。

800/1人という数字はもちろん標準的な参考値程度の設定ですが、まあ大体当たってると思いますよ。