. 行政書士組織論: クラスチェンジと業務の再定義のこと

2025/10/07

クラスチェンジと業務の再定義のこと

お疲れさまです、塩谷です。

いきなりですが以下はこのブログの過去フィードをGeminiに渡して抽出させた、私が持っているらしい行政書士業界の俯瞰的な展望、感想です。
 
目先の業務だけでなく、業界構造の変化、競合の動向、テクノロジーの影響といったマクロな視点から、行政書士の未来を冷静に分析しています。
  • 士業のコモディティ化: 行政書士の定型的な手続き業務は、誰がやっても成果に大差がない「コモディティ商品」であると喝破しています 。そして、それを前提とした上で、価格競争に陥るのではなく、営業や組織化といった別の部分で差別化を図るべきだという戦略を提示しています 。 
  • マーケットの再定義: freeeやMFクラウドといった会計ソフトの台頭により、法務サービスの入り口が士業からテクノロジー企業に移りつつあり、士業が下請け化する未来を予測しています 。これは、業界が直面する脅威を直視し、対策を促す重要な視点です。 
  • 業界の大型化と再編の予測: 税理士業界の事例を参考に、行政書士業界も今後は個人事務所から法人へと売上が移行し、将来的には事務所間の合併や買収(M&A)が起こるだろうと予測しています 。
そういえばそんなこと過去にテキスト化したかも、そう思ってるかも。AIって面白いですよね、自分でもうろ覚えのことをこうでしょ、あれでしょ的にサジェストしてきますよね。

それで、そう思っているかといえば確かにそう思っていますが、同時に変化は大局的にそういう方向であってもゆっくりと進行するもので、あまり悲観的になりすぎる必要もないし、適宜対応していけばいいと思うんですね。

具体には、行政書士業務は基本的にコモディティ商品だしテクノロジーで簡略化できる要素も多いとは思うんですが、それが全体の趨勢を決めるほど進行していない(つまりコモディティ商品を定量的に処理できるほど両者が近づいていない)現段階では、ことさらにコモディティ商品としての手続業を捨てる必要はなく、更に具体的にいえば手続業で食えるうちは手続やりまくっておけばいいと思うんです。

いずれこれらはテクノロジーの中に消えていくだろうな、という実感を持って未来を模索しながら、当面は現状のアップデートに対応していく感じですね。建設業でいえば紙申請しているものをJCIPに切り替えていくとか、打ち合わせを直接面談からZoomやMeetに切り替えていくなどの対応ですね。

実際やってみると未来がちょっとずつ見えるんですよね、あれこれってつまりこういうことでは?的な。Meetで満たせるニーズがあるならこれをサービス化できるのでは、ただの外注さんではなく企業内法務部のリモートワーカーと大差ないのでは、これ月額もらっていいのでは、的な。

それで、結局私たちのコアコンピタンスは単に書類を代書していることではないのだな、という気付きを得るんですね。許認可屋さんであればコンプライアンス体制のアップデートをサポートしているのだし、同時に合理的な社内管理を提案して運用を回しているのだし、やっていることは企業の中級以上の階層ですべきことにコミットしていると私は思います。

昨今、大局には企業の人手不足って話があり事業者は上記のような「単純な人手の話ではなく、直接業績を伸ばすセールスや開発などの部門に優秀な人材を配置し、管理系の業務は外部化したい」というニーズをはっきり出しており、士業てのはそのニーズにぴったりハマるリソースだと思います。

だって日本語の読み書きが上手で行政庁の出す文書の読解とアウトプットに慣れていて構造的な業法理解があり、しかも真面目で勤勉勤労な安い外注さん笑、しかもライセンス持ってるからコンプライアンスもクリアって、どこを取ってもこのニーズにぴったりですね。

で、どのクラスの業務を取っていくかという検討に繋がると思います。この議論は行ったり来たりしますが、コモディティ商品である手続業は2025年10月の現状としては食い扶持としてまだまだ有効なものの、大きな方向性としてはテクノロジーに代替され、残存者となるのはこのテックを内包したか、或いは巨大化してテックから零れる業務を総攬する、大きなシェアを取るところになると思われ、おそらくこの予想は外れていない(現実になる)と思いますが、仮に依頼者企業の内部クラスをABCDと階層化するとして、A経営管理~D単純作業であれば、私達の生存戦略としてはBだなと思います。

今まではC~Dをしていたんですね。総務担当のアウトプットを手続屋さんとして外注化され、それを定型的に恙無く行政文書に書き換えて提出するってやつで、それはそれで良いお仕事だと思いますし、何十年もそのようにしてきた業界だったと我ながら思います。それが現状は有効でも、10年スパンでは無効化されていく未来がおそらく来るので、大型化して残存者となるか対象の階層、クラスを変更して仕事の定義を変えていくかという未来かと思います。

フィーが一番高いのはAなんだけど、行政書士がAを狙うのは戦略として正しくないと私は思っています。自分を卑下しているのではなく資格の特性に合ってないですよね。その階層は弁護士、会計士、またはシンクタンクやコンサルティング会社が競合するので、行政書士が持っている武器では無理や、元々そこのフィールドにいないのだ。

それでBですが、具体的には総務とか管理とかの「部長さん」くらいの方が担っている業務を代替してしまうことでしょうか。仮に社員数50人くらいの会社であればそこの部署には3人くらいの人員がアサインされていると思いますが、年間予算でいえば1,000万円くらいのコストは発生しているはずで、要はこの1,000万円を行政書士業界の売上に持ってきてしまおうということですね。手続を外注さんとして行うという従来の型から抜けて、年間の予算から数年間の管理計画を引いて部署を丸ごと外部化してしまう感じです。当然この部署単体で業務が完結しないので、例えば営業部や経理部等の連携、経営層へのレビューなどは発生するから仕事としては重いですが、それで年間1,000万円フィーとして取れるならペイでしょう。

行政書士業界は一部の事務所が近年顕著に大型化しています。私の観測では、それらの事務所さんは大まかにはこの範疇の動きをしているようで、どこかの部署を部署ごと持ってきてしまうような仕事ですね。Bを取る感じです。

薄く広くやるか、深く狭くやるかの話です。巷間良く会話される「専門特化型は~」的な命題があると思いますが、それはもう議論の余地はないことは分かりきっており、1点で勝てなければ総合でも勝てないのです。どこで勝ち切るのかでいえば、どれほど業歴を重ねても限られたリソースでやり続けるしかないのであれば1点勝負になるはずで、ほぼすべての場合で深く狭く勝負することになりますよね。

なんか大仰な話のようにも見えますが、業歴が10年とかそれなりの先生には体感的にご納得いただけるものと思います。言語化とサービス体系化されていないがそういえばそういう仕事をしていたわという。そう、私たち実はそういう仕事をしていて、それが言語化されていないから「行政書士ってなんの仕事してんのかわかんねえ」と言われているかと。塩谷からは以上です。