. 行政書士組織論: 組織の前提となる売上について(1)

2014/01/11

組織の前提となる売上について(1)

行政書士事務所を組織的に運営していく前提として、一定以上の規模の売上が必要になります。組織化の第一段階として、一定以上の売上をどうキープしていくか、というテーマを書いてみたいと思います。

なお、このブログのテーマは巷間の「こうやったら開業は成功しますよ!」という類のものではないので、簡単に儲かるみたいな話は書きませんし、そんな方法きっとありません。

業務の選定


僕は「売上を立てていく」ということを想定した場合、一番重要になるのが業務の選定だと思っています。行政書士の業務は散々言われていることですが、単発の案件が多いため、どうしても先の売上予測が立てにくいのですが、業務の選び方と運用の仕方によって、この不安定さを和らげることができます。


(よく見る「士業の集客」という物言いは分からなくはないですが、非常に一面的だと思います。集客は、売上を立てるための車輪の1つでしかなく、まあ非常に大事な1つですが、その他にも業務選定やフォローアップ、クロスセルなど売上に直結する車輪はいくつもあります)

選定の話に戻れば、需要が多くて単価の高いものが事業継続の観点からは適した案件です。業務の継続性もあるとなおいいですね。こういった案件を継続的に受けていければ、小さなユニットを作って回していくことができます。このユニットを少しずつ大きくしていくのか、または同程度のユニットを複数作っていくのかの違いはあれど、まず組織の種となる「チーム」を作れます。

選定のポイントは、需要が多くても単価の低い案件を選定するのは避けた方が良い点ですね。1万円/単価の案件を100件受けられれば100万円ですが、20万円/単価の案件を5件受けても100万円です。案件の数が多いほど管理業務が多くなり、管理業務をスムーズに回すのは結構なスキルが必要です。

一般に行政書士にとっての実務能力より管理能力の方が希少なので、いくら集客力(!)に自信があっても、単価の低い案件を選定してしまうと忙しいばかりでチームが回らなくなります。

集客


集客の話はあまり好きじゃありません(集客が苦手な訳じゃありません。その話が好きじゃないんです)。これはきっとそのうち長江が書くでしょう。

ただ1点だけ、「行政書士の仕事を集めるには何が有効ですか?どうやったらお客さん来ますか?」と聞かれ、ネットが良いとかDMだとかツイッターとか商工会議所とか広告とかのツールについてアドバイスを求められることがありますが、どれでもいいと思いますよ。というか、全部やれば良いと思います。

どれかツール1つだけで完結させる必要はないですし、完結しないですから、全部連動させて全方位的な営業をすればいいと思います。全方位的に営業していれば、お客さんが途切れるなんてことはないです。

経費


業務の選定が終わり、集客もしました。一定以上の売上はこれで立つはずで、しかも選定の際に注意して選んだので、多少なりとも先の予測も出来やすい状況だと思います。この売上をどう使っていくかですが、まだ行政書士のチームを回すようになって日の浅い僕が書くのもあれですが、人に使うことになると思います。

行政書士事務所のような超零細事業体にとって、経費の殆どは人件費と家賃です(あと借り入れがあればその返済ですね)。それ以外をケチっても大して経費削減の効果がないし、逆に大きくお金を使う人件費については、使い方次第で運営の結果に大きな差が出るはずです。

売上が立つ→人に使う→チームの能力が上がり新たな分野に進める(または別なチームを立ち上げられる)→更に売上が立つ。このスパイラルしかないと思います。これによって組織は少しずつ大きくなっていくでしょう。

売上のことは非常に大きなテーマなので、また視点を変えて(2)に続きたいと思います。